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<そばにいたい> ーーレヨンsideーー
ーーガチャッーー ドアが開く。
キャミソールの部屋着とボッサボサの髪が目に入る。…目……腫れてる??
いつもの なな と雰囲気が違う。
「あはははは……はは…は…は…」俺の格好を見て笑い出したと思ったら……
!!ポロポロ……大きなクリクリの目から雫が落ちる。急に泣き出して止まらない様子の なな。
こんな時、トールだったら…スムーズに手を握って優しい言葉をかけられるだろう。アルだったら…瞬時に落ち着かせる言葉の一つや二つ出てくるだろう。俺は…
「そんなに俺に会いたかった?」考えた末に、言った言葉……失敗だ。……余計泣かせた気がする。
とりあえず、なな の両手を掴み、ずりずりと 半ば引きずるようにしてリビングのソファーに移動した。
「それで??……俺疲れてるからマッサージしてもらいにきたんだけど。」また!俺は、なんでこんな言い方してるかなぁ…言っておいて、自分で自分に呆れる。
「……あ"い。じゃあ…ね"ころがって…ください」ぐしゃぐしゃの顔の なな が、鼻をすすりながら答える。
なな のマッサージ。久しぶりだ。
コイツこんなんで…色々できるんだよな。……『できる』とは、ちょっと違うか。
『できるように努力してる』奴なんだよな。
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