扉の向こう

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「…なんだ、沖野か。装備持ってきてくれたのか。ありがと」 「なんだという発言には苛立ちを覚えますが。一応感謝は受け取っておきます軍曹」 「お前ら…。まぁいい、作戦は事前通達のあった通りだ。俺たち第2空挺師団にパワープラントの確保指令が下った。気合い入れていくぞ」 付き合いきれないといったように手をひらひらと振った村田は、自身が乗るであろうヘリの方に歩いていく 軽い敬礼で上官を見送った二人は、お互いに一度だけ顔を見合わせると、それぞれが別の行動をとる 一方は装備品をヘリに積み込み、もう一人は支援兵が乗る”比較的”安全なヘリへ 沖野が運んでくれた簡易防弾ベストを着こみ、マガジンポーチに弾がぎっしり詰まった弾倉を放り込んでいく 肩のポーチへ小型通信機を差し込み、太もものホルスターへ9mm口径の拳銃を 手榴弾を3個ほどポケットに突っ込みながら、整備の行き届いた愛銃を拾い上げる アメリカ海兵隊などで長年使用されてきたM-16をベースに、ある程度の距離の狙撃も可能としたマークスマンライフルSR-25 搭載された照準器とレーザーサイトの調子を確かめ、すべての準備が整ったことを確認して座席に座り込む 仙崎が腰を下ろすタイミングを見計らっていたのか、開け放たれた両側のドアからどかどかと数人の兵士たちが乗り込んでくる 何食わぬ顔で二人のパイロットも操縦席に収まっているところから、彼らも共犯者だろう
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