episode162  バスタブの悪魔

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「これはこれはお揃いで――」 こんな時だって見惚れるほど美しい 栗毛の貴公子。 さすがに 肩身が狭いとはこのことだ。 揃いも揃って色男が。 かたやディオールの かたやエルメスの 広告から飛び出してきたみたいな 立派なスーツ姿で。 「そんな風に見ないでくれよ、僕だって――」 「僕だって何だい?」 「言ってみろ、この腐れ外道が――」 実際のところ マフィアみたいなサングラスをかけたまま 地に落ちた錬金術師を見下しているんだから。
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