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「これはこれはお揃いで――」
こんな時だって見惚れるほど美しい
栗毛の貴公子。
さすがに
肩身が狭いとはこのことだ。
揃いも揃って色男が。
かたやディオールの
かたやエルメスの
広告から飛び出してきたみたいな
立派なスーツ姿で。
「そんな風に見ないでくれよ、僕だって――」
「僕だって何だい?」
「言ってみろ、この腐れ外道が――」
実際のところ
マフィアみたいなサングラスをかけたまま
地に落ちた錬金術師を見下しているんだから。
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