episode162  バスタブの悪魔

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「さあ、身体を綺麗にしよう」 あとは思い切り湯を注ぎ入れ 呆けた愛玩犬のために バブルバスをこしらえてやった。 外したがらない首輪を残して 赤いロープだけ抜き取ると 「――入りな」 優しく手をとってバスタブへ導く。 浮かない顔。 「少しは笑えよ」 目元にかかる黒髪を かきわけるように乱暴に撫でてやると。 和樹はその手を掴んで――。
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