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episode162 バスタブの悪魔
バスルームに連れて行く間。
何度衝動的に
犯してやろうかと思ったか。
この時ほど
自分の獣性を強く感じたこともなかったが――。
「ダメだ……」
今の今
心を開きかけた和樹を抱くことは
再び元の固い殻を纏わせることに他ならない。
あの子は人と交わることで
己を保ち続けるからだ。
「オーケー、僕さえ耐えれば」
バスタブにシャワージェルを注ぎ
一人ごちる。
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