episode162  バスタブの悪魔

1/30
242人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ

episode162  バスタブの悪魔

バスルームに連れて行く間。 何度衝動的に 犯してやろうかと思ったか。 この時ほど 自分の獣性を強く感じたこともなかったが――。 「ダメだ……」 今の今 心を開きかけた和樹を抱くことは 再び元の固い殻を纏わせることに他ならない。 あの子は人と交わることで 己を保ち続けるからだ。 「オーケー、僕さえ耐えれば」 バスタブにシャワージェルを注ぎ 一人ごちる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!