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道と自転車
(あれ?どうしたんだろう?)
下り坂の気持ちいい道。
右側へ緩やかに曲がったカーブ。
まわりは緑に覆われている。
山間部のさわやかな道。
涼しげな風に木々が揺れている。
道路は舗装されていて、歩道と車道の間には白いガードレール。
とても気持ちいい。
ずっとガードレールが続いているものと思っていたら、一部縁石だけの所があった。
そこへ吸い込まれるように突っ込んでしまった。
自転車の前輪が縁石をジャンプ台にして飛び越え、宙に浮いているのだった。
あまりにも気持ちいい風と風景にこころを奪われていた直後の出来事だった。
こういう時って、身体を縮込ませるのが定石だ。
身体は右に傾いている。
ハンドルをきつく握り締めたまま、車道から歩道に飛び込んだ。
右肩をしたたかに強打したが、ほとんど痛みはない。
(ふう、危なかったな。)
と思った瞬間!
うしろから自動車が。
車道で倒れていたら、ただでは済まなかったのかもしれない。
途端に鳥肌と脂汗が。
しかし、この程度のことでは、くじけないのであった。
自転車を点検したが、故障したところはない。
気持ちいい風とともに自転車で走る遅い夏の日は最高だ!
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