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「ん……んふっ……はぁ……」 「伍紀……そんなにしなくて、いい」 「いいんだよ俺……真琴さんになら。もう……ネコでも、メスでもいい」  真琴が目を見開いた。何ともいえない顔をして腕を伸ばし、脇から引き揚げられる。 「伍紀……ごめん。我慢ができない」 「ああっ……!」  抱きしめられたまま、再び倒される。みちみちと押し入ってくる普段だったら耐えられないような圧迫感も、背中の痛みすら甘かった。 「ん……ふっ……あ」 「伍紀」  真琴が奥まで入ると、じっとみつめあった。その唇に触れたくて、頭を上げる。うなじを支えた真琴の唇が触れて、舌が絡まると涙が出そうなくらい高揚する。  交差した足で真琴の腰を引き寄せる。これ以上ないくらい互いの体を密着させたその姿は、傍から見たら大きな団子のようできっと滑稽だろう。だが、それでも足りないくらいだった。 「伍紀を一目見た時から、自分のものにしたかった」 「だってそれは……俺が、ゆ…………んっ」  ――裕介さんに似ていたからだろう?   そう続けるつもりだった言葉は、唇で塞がれる。いつまで経っても疑い深い自分を責めるような律動が続く。 「んっ、あっ……あ……」 「裕介じゃない。伍紀、お前が欲しいんだ……お前だけだ。俺を見てくれ」 「真琴さんしか……」  そうだ、はじめから真琴は俺だけを見ていろと言っていた。思い返せば真琴は伍紀に嘘を吐いたこともない。過去のことだって聞けばきちんと答えてくれていたのだ。  正体の知れない不安に駆られず、目の前にいる真琴の言葉や行動を素直に受け取ればよかったのだと、今更ながらに思う。 「伍紀……いいか?」 「んあっ……すげえいい……あっ! まことさん……」  言われなくても伍紀には真琴しか見えない。この男が好きだ。もう離れられない。その首に縋りつき、泣きながら果てた。
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