第4章

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加賀美が柏を迎えに行くと、黒い袈裟を着た天を突くような大男が、目頭を摘まんで天を仰いで突っ立っていた。 「あー。柏さんまた泣いてるー」 からかうように声をかけた。 「うるふぇズズッ…、おまふぇなんふぁひ、あふー」 「もー、泣き虫だなぁ。あんまり泣いてると、次、置いて行っちゃいますよー」 加賀美は柏に向けて走るポーズだけして見せた。 「なに!!それはいかーん!」 ものすごい勢いで走り出し、加賀美を追い越して金斗雲に乗り込んだ。 「柏様、そんなに慌てなくとも、柏様が乗るまで出発いたしませんよ」 磯部は優しい苦笑いで柏に振り向く。 「柏さんって単純なんですねー磯部さん」 後から乗ってきた加賀美が磯部に同意を求めるが、磯部は苦笑いだけで答えられなかった。 「『ねー』ってお前らいつの間に仲良くなったんだ」 「気づいた時にはでございますよ。柏さん」 加賀美が磯部の口調を真似て答えると、柏は「知らん!」とそっぽをむいてしまった。
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