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家に帰り、1人軽く夕食を済ます。
普段から片付けは気をつけてはいるけれど、音くんが来るしと掃除機をかけて、“普段”よりは綺麗だ。
でもきっと。
早く来ると言ったけど、今までの飲み会を思いだせば来れるかわからないとため息を吐く。
お風呂、沸かそう。
どうせ音くんが遅いなら先に入ってしまおうと準備して、鳴ったドアベルに首をかしげた。
「はい、」
覗き穴から見れば、そこにはまだ来るはずがないと思っている、音くんで。
「えっ、お、音くん!?」
私は慌ててドアを開け、招き入れる。
「こらー。早く来るって言ったでしょ」
私が膨れるよりも何倍も可愛い顔で膨れた音くんは、玄関先でギュッと私を抱きしめた。
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