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窓からオレンジの光りが射し込む放課後の教室。部活が終わった僕は忘れたノートを取りに教室の戸を開けた。
誰も居ない教室から、ふわっと金木犀の香りがした。甘い香りが心を嬉しくさせ夕陽が僕を運命へと導いていく。
一番前の窓際にある僕の席の上には一冊の本が置かれていた。僕の本ではない。僕は机からノートを出して鞄へしまうと椅子に座り、
「誰かの忘れ物かな?『天使の明晰』?面白そうな本だな。」
帯には
「読んだ人を幸せにする本。」
と書いてある。山茶花のように純白なその本を僕は読み出したんだ。天使のイタズラのように。
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