幸せになれる本と天使

天使の明晰を書いた作者は女性。甘美な安らぎに満ちた優しい言葉に愛と魅力を感じて、

僕は夢中になって本を照覧していく。

本の内容は、
天使の絵本を読んだ女性が本を読み終わると絵本の中から天使が現れて願い事を１つだけ叶えて貰える。彼女が願ったことは「みんなの幸せ」そしてその彼女が書いた小説がこの「天使の明晰」

まだ本の途中ではあったが僕は、秋薔薇の小さな花が可愛らしく咲いたような、そんな気持ちになっていた。

秋の天使トルクアレトが恋の季節に花を贈るように、僕と本は今この教室で出会った。甘い金木犀が香る中で。

運命の天使はイタズラ好きだというが僕も魔法をかけられていたようだ。

突然ガラガラガラと教室の戸を開けて親友が入ってきた。いくら待っていても戻ってこない僕を呼びにきたのであった。