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かっこいいな、
なんて思うのは、おこがましい。
いや、おこがましいという言葉は少し違うかもしれない。
身の程をわきまえろ?
なら、おこがましいで間違いない、かな。
たった今、いつも立ち寄るコンビニで、
「あ、袋、いりません」
呟くように言った私に、レジに立つ男性、いや、男子はほんの少し微笑んで軽く頷いた。
今買ったのは、350mlの缶ビールと同じ大きさの缶のカクテル2本。
毎日飲むわけじゃない。
けど、今日は仕事で疲れて飲みたい気分だった。
いつもは軽い食事とか、スウィーツとか、ミントタブレットにエナジードリンク。
そんな私の買い物をレジで受け取るのは、いつもバイトに入っていて、今も目の前に居る男子。
仕事帰りに寄る私が3回に2回は見かける彼は、どうやら雰囲気的に高校生、だろう。
大学を卒業して、職場にも仕事をする事にも慣れすっかり毎日お疲れの社会人な私は、目の前のこの若い彼がきらきらしてカッコ良く見えた。
「ありがとうございました」
かけられる声は、特別じゃない。
ちらりと見上げ、彼は目が合うと慌てて目を伏せる。
私は、ありがとう、呟いて店を出た。
あーあ、かっこいいなぁ。
なんとなく、ちらりと振り返り店の中の彼を見た。
イケメンだし背も高いし、きっと学校じゃモテモテだろうな。
自分の高校生の時を思い浮かべ、あんなイケメンなんていなかった、などと不満げに空を見上げる。
程なく到着したアパートの鍵を開け、ただいまと呟きながらリビングへと足を運んだ私は、たった今買ってきた缶ビールのプルタブを押し上げた。
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