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単純に、嬉しかった。
目の前の彼は、全く知らない人ではない。
週に何度も見かける彼で、ほんのわずかだが、ちゃんとバイトの仕事を頑張っている姿も見ている。
けど。
けど!!!
「あ、あのね」
「はい!」
「私があなたとつきあったら、」
「っ、はい!!」
「私、警察に捕まっちゃうよね」
「…………へ?」
優に5秒は数えた直後発せられた声は、本当に意味分からないという感じで。
私は苦笑を洩らすと、目の前の彼を見上げた。
「私、24だし、」
「……は……い、」
「あなた、高校生、でしょ?」
「……へ?」
「流石に未成年と付き合うのは、ちょっと抵抗あるし、」
肩をすぼめて苦笑を洩らした目の前、ちらりと見上げた彼の表情は、徐々に目を見開いて。
それから、
「えーーーーーーーっ!!??」
思い切り叫ぶと頭を抱えてしゃがみこんだ。
「ちょ、あの、えっと、七瀬くん?」
「うーわーっ!ちょっと待ってよ、岬さーん!」
何を待ってなのか。
いや、ソレを言うなら私の方で、何故名前を知ってるのかっていう……あ、付き合ってって言うくらいだから名前くらいしってるか!
って、いやいやいや!
頭の中で必死に何かを考える私をがバリと見上げて。
それから七瀬君はすっくと立ち上がると、私に一歩近づいた。
「俺!大学4年の22歳っすから!!」
「えっ!22歳……」
「そんでもって、俺、高校も大学も岬さんと同じで、しかも、岬さんのこと好きになったのは、高校の生徒会やってんの見かけた時っすから!」
まさか……こんなことって、
「生徒会で走り回ってんの見て、すげー一生懸命でかわいいなーって思ってて。でも岬さん卒業する時に一度諦めたんスよ。それから大学入ってまた見つけて。もう俺、まじで運命なんじゃないかって思って、」
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