第1章

2/4
前へ
/4ページ
次へ
教室の戸を開けたら、そこにはハサミを構えた生徒達がいた。 「安心しろ、俺だ。」 「なんだ、先生かあ……。脅かさないでよ!」 こういう状況になってしまうのも無理はない。 今、俺が勤めているこの高校には無差別殺人の容疑者が入り込んでいるのだ。 俺一人ならば逃げることも難しくないのだろうが、生徒は俺のクラスだけでも30人以上いる。 まさか見捨てるわけにもいかないし、最悪なことに殺人犯は複数いるらしい。 これでは教室に隠れていても危険な状況だ。 「先生、警察はまだ来ないんですか?」 「あいつら銃とか持ってんのかなあ……。」 「ハサミなんかじゃ勝てないよなあ。」 「わ、私達死んじゃうの!?」 「皆落ち着け!警察がもうすぐ来る!もし襲ってきても俺が守ってやるから安心しろ。」 柔道くらいしかやってないから銃には負けるが、ナイフくらいなら捌ける自信はある。 パン! パン! 「え……?」 「いやあああああああ!殺されるううううう!」 「今の拳銃の音だろ……?」 「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ」 「きっと今のは犯人と警察の撃ち合いだ!警察が来てくれたんだ!」 パン! 「おい!お前ら手を上げろ!お前らは今から人質だ!」 「うそだろ……?」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加