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その日、この夏の猛暑を塗り替えるような驚異的な気温を叩き出した、
――夏(ナトゥ)。
昨日、俺たちのクラスはクーラーが壊れた。
原因はマイ枕投げ大会で、フットボール部の高木がジャンピングアタックをかまし、クーラーに枕をぶつけたからだ。枕は大破。高木は一生許さねぇ。高木のあだ名をジャンピングアタック高木にしてやる。
だから俺たちの朝、男子校の朝は――臭い。
「クーラー。お前が居なくなって初めて俺はお前の大切さを知った。もし、もしチャンスがあるならば、もう一度冷たいお前の吐息を身体中に感じたい、夏(ナトゥ)」
ポエムができたのでクラスに着く間、俺はヒップホップ調で歌っていた。気分は常夏のいかしたDJ竹口(ヤリチン)だ。
「教室は暑いぜ、だが大掃除だぜ、だから遅刻したぜ、俺は暑いぜ」
無理に陰を踏むのを諦めた俺はただがむしゃらに歌った。
だが、
教室の戸を開けるとそこには―――
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