涼しさを求めて

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B「ヤバイ、暑すぎ。電車、あと三十分も来ねぇって。扇風機もないし、マジしんどい。なんか、涼しくなる方法知らねぇ?」 A「妄想してみれば? 例えばプールに入ってる妄想とか、アイス食べてる妄想とか」 B「無理無理。そんなことしたって暑いもんは暑い。って、何、急に本なんか取り出してるだよ? 俺が一緒にいるっていうのにいきなり読書!? 三十分も会話なかったらマジつまんねぇんだけど」 A「別にあなたとの会話を打ち切って読み始めたりしないから安心して」 B「じゃあなんなの?」 A「これから読み上げようと思って」 B「読み上げる?」 A「そう。雨乞いの儀式をするための呪文をね」 B「あ、雨乞い……?」 A「暑いんでしょ? 雨が降れば少しは気温下がるから。ただ、呪文が長くてちっとも覚えられないのよね。えっと、ウヨシデルフトッキハメアバエガネガシタワ…………」 B「……全然効かねぇ」
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