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校門へと走ると、大きな後ろ姿の一団に向かって大きな声で叫んだ。
「溝端くんっ!!!」
すると、真ん中にいた人影がこちらにくるりと振り返る。
溝端くんは、先ほどの私が見せた時のように瞳孔を開き、驚いた表情を見せた。
周りの視線が突き刺さるように痛くて、私は俯いて小声になった。
「ちょっと......いい?」
「あ、うん......」
溝端くんは周りにいじられながらも、みんなから離れて私の方へと歩いてきた。
「ここじゃ、なんだから......学校、入る?」
私は黙って頷いた。
なんでだろう、もう24歳の私はしっかりとした対応が出来るはずなのに......
溝端くんといると、中学生の私に戻ってしまう。
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