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校庭を見渡せる位置にあるベンチに、少し離れて座る。
座った途端、スカートを通してお尻から太腿にかけて急速に冷えてくる。
すでに完全に陽は沈み、夕闇が二人を静かに包んでいた。
今朝チラついた雪は積もることなくグランドをしっとりと濡れさせていて、運動靴にその感触が伝わってきた。
ただ座っているだけで、躰全体が心臓になってしまったかのように、全身に鼓動が煩く響き渡る。
「今朝は、ごめん......」
突然の溝端くんの声に顔を上げる。
「な、んで...溝端くんが謝るの?」
悪いのは、私なのに......
溝端くんに声をかける勇気が出せなくて、何も行動できなかった私が。
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