41人が本棚に入れています
本棚に追加
「......多恵ちゃんからね、ラブレターもらった時、本当に嬉しかったの......
でも私、クラスで人気のある溝端くんが何で私なんかに...って思いがいつもあって......
何も出来なかった」
「...っ。何も出来なかったのは、俺の方だ!!」
溝端くんが突然、大声を上げた。
拳を握り締め、唇を噛み締めた後、絞り出すような声が落とされた。
「.....俺、水澤さんの気持ちがほんっとわかんなくて......
ラブレターの返事はそっけないし、目が合ってもいつも逸らされるし。
電話した時は気のない返事しかしなかったし、クリスマスプレゼントは俺からだけだったし......
あんな勇気出してハートマークまで書いたのに、何の反応もなかったし」
「そ、それはっ...」
焦って弁解しようとする私の言葉を遮るように、溝端くんが呟いた。
「俺、だけが...水澤さんのこと好きなんだって思ってた」
溝端くんの言葉に、胸が雑巾で絞られるように痛くなった。
そう、じゃない...そうじゃないの......
最初のコメントを投稿しよう!