教室の戸を開けたら、そこには......

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 「好、き...」  蚊の鳴くよりももっと小さい掠れた声しか出ない。  「え?」  溝端くんが聞き返す。  好き、好き、好き......  溝端くんが好き、なの。  10年経っても、いつも心の片隅に住み着いて、離れなかった。  ずっと、言いたかった。  言いたくて、言いたくて、仕方なかった。  「好き...溝端くんが好き、なの......」
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