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大人になった溝端くんは、私の頬を撫で返し、愛しみの籠った瞳で見つめた。
「美紗、おはよう」
え...美紗、って...言ったよね?
「あ、あの...溝端くん......」
すると、溝端くんがプーッと吹き出した。
「え?」
な、なに?なになになに?
私、なんか変なこと言った?
溝端くんはチョン、と私のおでこを軽く突いた。
そのリアルな感触は、これが夢ではないことを私に思い知らせていた。
「なに、その懐かしい呼び方!...中学以来じゃね?ビックリした。
それに...まだ結婚して1ヶ月で慣れないのは分かるけどさ。
美紗だって、溝端なんだぜ?」
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