第4章 タートル・トーク♪

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「もぉ!!!蒼井さんは!涙ボロボロたらして、狼歩と目があってるはずなのに、どこへタイムトリップしてたのですか?もうどこへも行かせませんよ?」 と、蒼井のほっぺたを軽く2つ3つぺちぺちと挟んで、拗ねてみせた。 「ごめんなさい。」 「あはは。いいですよ。もう。楽しみましょう?狼歩はね。蒼井さんが楽しんでくれればそれでいいんですから。」 少し寂しそうに微笑みながら、狼歩さんは自然に蒼井の手を握りしめて歩き出した。 ひんやり冷たくて気持ちいい。 あったかくてぬるま湯の中の世界より、ずっとずっと生きているって感じられる。 狼歩さんがギュッと力を入れると、まるでお互いの脈が1つに感じられた。 トクン。 トクン。 さっきまでの苦しい脈打ちでなく、狼歩さんの優しさが手から流れ込むみたい。 また出そうになる涙をこらえて笑顔で、 「……。ありがとう。」 「いえ。どういたしまして。」 狼歩さんはウィンクした。 狼歩さんの顔は中性的で、ふんわりと緩やかに掛けられたパーマは狼歩さんの可愛さを引き立てている。 こんな素敵なプリンスがピーターパンのお陰で蒼井に魔法を届けてくれた。 (ねぇ?立ち直れってことでしょう?うん。前を向くよ。私。) 少し歩くとファインディング・ニモのアトラクション『タートル・トーク』が目の前に見えた。 「ねぇ?狼歩さん。ファインディング・ニモって知ってる?」 と尋ねると、 「もちろん!カクレクマノミのニモのお話でしょう?」 さすが狼歩さん! 知らない事ないのかしら? 「そう!そこに出てくるカメのクラッシュとね、このアトラクションでは実際お話出来るのよ♪」 と言うと、 「面白そうですね!行ってみましょう!」 と、手を握ったまま走り出した。 このアトラクションは一気にショースペースに入れる為、あっという間にショーを見る事が出来た。 image=495167266.jpg
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