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ショーでは、ファインディング・ニモのキャラクター達が海の中を楽しそうに泳いでいた。
さぁ!ショータイム!!!
カメのクラッシュに質問がある人が手を上げて、カメのクラッシュが選んで指していく。
まずは小さな小さな子供が選ばれた。
「おい!坊主!お前は誰と来たんだ?」
とまずはカメのクラッシュが話し掛けると、
「パパとママ。」
とはにかんだ小さな声で答えた。
「何か俺に質問あるか?」
とカメのクラッシュが聞くと、
「カメさんは何歳なの?」
と男の子が聞いた。
「歳か~~~???もう忘れたな~。歳なんて関係ないぞ~。俺はなぁ。お前が爺さんになっても、ずっとずっと夢の中、この中で生きてるからな。お前ら人間の夢がなくならない限り生きていけるんだぞ。だからお前も兄ちゃんになり、父ちゃんになり、爺さんになっても俺に会いに来いよ!」
「うん!僕会いに来る!」
と男の子は嬉しそうに、今度は大きな声で手を挙げ答えた。
観客席も微笑ましく見ていた。
「お次は~、誰を当てようか!」
とカメのクラッシュが泳ぎ回って、
皆んな一斉に、
「はい!はい!はい!」
と手を挙げた。
私はこんな時も気が小さくて挙げられなかった。
狼歩さんは、一生懸命挙げている。
(可愛いなぁ。)
と眺めてたら、
「お次は、そこのイケメン兄ちゃん!
肩に黒いカーディガン掛けてる兄ちゃんに決めたぞ!おい!兄ちゃん。今日は誰と来てるんだ?」
狼歩さんは辺りをキョロキョロしてから、自分を指差して首を傾げた。
「そうだ!お前だよ。」
「俺っすか?えっと、今日は……。」
と私の方をチラリと見て。
「大切な人です。」
と答えた。
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