第1章 プロローグ

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サワサワ~。 秋風が吹く。 この胸騒ぎは何だろう? ドキドキ。 ドキドキ。 胸に何か大きな風船が入ってるみたい。 思いっきり空気が吸い込めない……。 苦しい様な? 切ない様な? きゅ~~んと胸を締め付ける。 ポロリと涙が落ちた。 これは最後の魔法。 ピーターパンが導いてくれたプレゼント。 自分でほっぺをパンと叩いて、玄関の鏡を見る。 (ほら!笑わなくちゃ。笑顔の私を覚えていて欲しいから……。) 鏡の自分に言い聞かせ微笑んでみる。 大丈夫。 出来るだけ可愛い私を見てもらいたいから彼の好みに合わせてお洋服も選んだの。 最初で最後。 蒼井風海花の……。 夢。 素直でいていいって、あなたが言ってくれたから……。 今日は私らしく。 言葉を紡ごう。 ずっとずっと心の中に閉じ込めていた、私の言葉を……。 あなたの為に……。 そして私の為に……。 image=495182392.jpg
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