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「三浦先生のどんなところが好き??」
黒板からゆっくりと教卓へと移動する。
それに触れるとついさっきまで誰かが使っていたかのように熱が伝わってくる気がした。
「三浦先生ね、俺の名前褒めてくれたんだよ」
「へぇー、何て言って??」
「“優斗の優は優しいって字だから、お前は誰にでも優しい、いい子になるんだ”って」
「っ……そっか……」
「三浦先生は男の先生で、見た目はちょっと怖いけど、本当はすっごく優しい先生なんだよ!だから俺は三浦先生大好き!」
俺の背中からでもわかる嬉しそうな声色。
その声に、俺は泣きそうになるのをグッと堪えた。
「優斗君、そろそろ帰らなくてもいいの??」
少しずつ暗くなっていく外を見てそう言うと、優斗君は“本当だ!”と、これまた元気よく答えた。
「それじゃあ優斗お兄さんバイバイ!」
「あっ、ちょっと待って!」
急ぎ足で戸の方へ駆けていく優斗君を呼び止めると、優斗君は俺の方へと振り返り、不思議そうに首を傾げた。
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