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琴音が今まで単独でしか狩りをしたことがな
い、と知っていた男は、安心させるために
パーティーという言葉を強調した。
単独の時よりも、より自分の専門職に専念で
きる分、狩りの負担は減る、そう言いたいん
だと、琴音は思った。
「ありがとうアラン。大丈夫、頑張るから
」
安心させようと、させてくれてる気持ちがう
れしくて、意識して明るい声で応えた。
顔は見えないが、背中越しに彼が笑った気配
が伝わってくる。
それが頼もしく感じた。
アランと呼ばれた男が静かに右手を肩まで上
げると、人差し指を立てて立ち上がることを
指示してきた。
音を立てないように気を付けながら立ち上が
ると、アランの背中越しに、まだこちらには
気が付いていない奴、が映る。
琴音は目を見開いて息をのんだ。
(想像していたより大きい!・・・アランの
2倍くらいある!)
今まで見たことのない古代の恐竜のようなタ
イプの相手だった。
太い頑丈そうな脚、強靭そうな尾、そしてな
により牙を剥き出しにして吠えているワニの
ような縦長の口が、凶暴さを際立たせていた。
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