0人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう一回バカって言ったら、
お兄さんの睫毛を引っこ抜きますよ」
「なんだ、
そのピンポイントな攻撃は…。
もう夜になるのに、
どうすんだ?補導されるぞ?」
少女はベースを俺にかざした。
「拾ってくれる人は見つけました」
「なら、
そこに行きなよ」
「はい、
ここ読んで!」
そう言って、
段ボールに書かれた文字を指で示す。
「捨てベーシスト、
腕は確か。
拾ってください」
「お利口~」
満面の笑みで手をパチパチ叩いている。
さすがにイラッと来る…。
「で、
お兄さんの背中にあるのは?」
「ギター」
「ストラトですか?」
「レスポールだよ」
「ほう、
私好みだよベイビー!」
「会話に微妙な英語を入れるな。
昔のロックンローラーか!」
「落ち着いてください。
これ読んだなら、
私が言いたいこと分かるでしょう?」
少女は穏やかに微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!