第1章

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『自殺抑止誓約書』 そこにはこう書いている。 〈わたしが自殺した場合、今回のイジメ体験法とはなんら関係のない理由になります。学校とも担任の先生とも一切の落ち度はありません。 この自殺による学校及び関係者への責任は皆無であり、栽培などは絶対におこしません〉 というような内容が書いてあった。 「ここに西暦からの日付と名前、あと拇印を押してくれるかな」 懐から朱肉とボールペンを取り出す。 そして、デジタルカメラをおもむろに取り出し撮影を始めた。 「今後のための記録だよ。気にしないで」 全ての準備が整い初めて『イジメ』が開始された。 最初は無視から始まり、わざとぶつかる、授業中に消しゴムのカスや丸めたノートの切れ端を投げつける、持ち物を隠す。 週末が近づくとイジメはエスカレートしていき、ノートや教科書を切り刻む、トイレの個室に入ると上から水をかける。 そして、最後の体験日の土曜日になる。 数人の男子生徒たちはその子を連れて体育館の裏に行った。 数時間後、男子生徒たちは帰ってきたがその子の姿がなかった。 翌週になり、イジメ体験者がリセットされた。 しかし、三人目の子は教室にいなかった。 担任は体調不良で休んでいると言っていた。
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