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ボクはいつのまにかイスに座っていた。
「そして、人間の意識をネットの世界へ移すことに成功した。君はその唯一の成功例であり、最後の実験例でもある」
「最後…」
最悪の結末しか思いつかない。
「実験が成功したのち、意識を体に戻そうと試みたが戻らなかった」
やっぱりと心の中で呟く。
「君の体は徐々に機能を失い、数日で腐ってしまった」
「何でいきなり腐るのさ」
「神の御業か、悪魔の所業か。人が摂理を超えると罰が与えられるようだね」
「何でボクが罰を受けないといけないんだ」
「親より先に自殺する。立派な罪だよ」
「だから、自殺して…」
ボクの体が動かなくなった。
「フリーズだね。たくさんの人がこのサイトにアクセスしたからシステムが捌けなくなったんだ」
「…」
口を開くこともできない。
「何かを聞きたそうな目をしてるね。このサイトがなんのサイトかってことだろう」
顔がむかつく。ぶん殴ってやりたい。でも体が動かなく。
「サイト名は…
《リアルイジメ体験》
どうだい、いいセンスだろ」
頭がぼーっとしてきた。意識が消えそうだ。
「聞こえているかい、最後の通告だ。君はまた再起ど…う…」
ここでボクの意識は途絶えた。
ふと気がつくと、ボクはドアの前に立っていた。
そうだ、教室に入らないと遅刻する。
ボクはいつものようにドアを開けた。
そして世界は繰り返される。
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