忘れ物

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 僕は小学2年生、世間は9月に入ったばかりだ。  夏休みも終わり、ついに学校が始まる。沢山の友達とまた会って色々お話できる。  でも、また退屈な勉強も始まる。それでも、友達と会えると思うと期待で胸が踊る。  僕は通学路をスキップしながら学校へ向かっていた。期待感も相まって、身体がすごく軽く感じる。肩にかけたランドセルが馬のようにかっぱかっぱとなるけど重みは感じないくらいだ。  大きな学校が見えてきた。クラスメイトはもう皆来てるようだ。  僕は僕は遅れを取り戻そうと下駄箱の上履きに履き替えて教室まで走った。普段なら教室のにぎわいが聞こえる廊下も今日は静かだ。  もうホームルームが始まってるのかな?  遅刻で怒られるのは嫌だからそっと教室に入って先生に気づかれないように席につこう。そう思って扉を静かに開ける。  もうホームルームは始まってて、皆は静かにしてた。なんだか教室の空気は重くて、息苦しい。  何かあったのかなと他人事に思いながら、僕は背をかがめながら後ろの隅の席を目指した。  先生に呼び止められることなく、机までつけた。  あれ? これは何だろう? 「先生から皆さんにお話しなくてはならないことがあります」  おもむろに、先生が口を開いた。 「コウ君は、夏休み中に交通事故に遭いました」  そして、簡潔に述べられた。先日、病院で亡くなった、と。  教室に、鼻をすする音がした。  僕の机の上にあったのは、花瓶に活けられた白い百合の花だった。  ……そうか、僕は、、、。  百合の花びらが、ぱらりと落ちる。僕の意識は黒く塗りつぶされて、気づいた。  もう、僕は、この世にいない。  
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