どうすればいいのだろう?

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どうすればいいのだろう?

ポツポツと子供連れの人影が現れ始めた。 子供だけの数人の集まりも見えた。 ―― なんとかチームとして起動できそうだな ―― 私はほっと胸をなでおろした。 集合時間が少し過ぎたところで、私はグラウンドのホームベース上に立ち、出来る限りの大声で、 「選手希望者はここに集合!」 と、怒鳴った。 のろのろと出てくるのかと思ったら、ほぼ全員が全力で走ってきた。 ―― おお――! ―― と、私は内心驚いた。 親にいろいろと言われていたのかもしれない。 私が一塁側ベンチ側に向いて立っていたので、そこに全員が横一列に並んだ。 目視で数えてみると12人もいた。 私は感動して、―― 野球ができる! ―― と、まず思ったのだ。 胸が熱くなった。 私の想い以上に子供たちの目が輝いていた。 さらに心の熱さが増した。 マジマジと無言で子供たちの品定めをした。 当然のことながら発育の状態が一定ではないので、並んだ様子はデコボコだった。 一番小さい子は120センチくらいだろうか。 「このチームの監督をする佐伯だ。よろしく頼む」  私は軽く挨拶をした。 「よし! それじゃ、自己紹介をしてくれ。  小学校名と学年、やりたいポジションを」 私から見て一番右にいる子に向けて言った。 親たちはぞろぞろとグラウンドのベンチ前に集まってきた。 親たちの話し声が、少々騒がしく聞こえた。 「そこ! 静かにするように!」
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