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ひと通りの自己紹介を聞いて、私は頭を抱えていたのだ。
この子供たちは、野球への熱い情熱をすでに持っている。
目の輝き方が子供ではないように思えた。
いや、子供だからこそかと考え直した。
困ったことに、全員の希望ポジションがピッチャーだったのだ。
―― ひとりくらい別のポジションを言ってもいいと思うが ――
この子達12人は、もうすでに自分を知っていた。
―― グラウンドの一番高い場所で思いっきり投げたい! ――
ということを。
だから、誰も尻込みをせずに「ピッチャーをやりたい」と宣言したのだ。
その点だけは高評価をあげてもいいだろう。
―― しかし、全員かぁー… ―― と、私は嘆いてしまった。
これほど困り果てたことは今までになかった。
しかし、このまま固まっているわけにもいかなかった。
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