イチガン！

いきなり練習試合なのか？

　今日は顔合わせだけで、今週の土曜日から本格的に練習を始めようと思っていたが、今、全員の動きを見たくなった。ビラには持参するものは書いていなかったのだが、１２名全員がバットとグローブそしてボールも持参していた。みんなやる気満々だった。この意気込みからも、野球への情熱を感じた。

　私は野球道具一式を買って、ほぼ揃えて持ってきた。グラウンド内のレンタルだった倉庫に入れている。ユニフォームも練習用のものを、小学生用の標準サイズを中心に２０着ほど買っておいた。スパイクも同様に、である。叔父にもらったお金を使わせてもらった。みんなの服装は基本的に上下長袖のジャージだった。私は想う。――やはり野球はユニフォームを着てこそのものだ――　と。身が引き締まる思いになる。かくいう私も、大人用のユニフォームを着込んでいる。

　このグラウンドには、一塁側ベンチ裏と三塁側に更衣室を設けた、なかなか、カネにモノを言わせたグラウンドである。なんとシャワー室まで完備している。内野には、範囲は狭いながらも観覧席がある。叔父の考えそうなことだ。

『カネは二の次、やるべきことをやれ！』

　――カネを持っている者にしか言えない言葉だな――　と私は思った。