続きが読みたいんですっ

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「ねぇ、早く続きが読みたいんだけど」 周囲に誰もいないのを確認し、私は『彼』にそう言った。 『なら、封印を解いて、僕をここから出してくれよ!』 答えたのは、私の持つ文庫本の『文字』。 そして、隣のページの挿絵のイケメン魔法使いっぽいのが『彼』――らしい。 「だいたい、何をどうしたらBL小説に封じられる事になっちゃう訳!?しかも、楽しみにしてた最新刊に……」 『知るか!!とにかく、なんとかしてくれないか。このままじゃ僕の貞操が危ない』 「は?貞操?……ああ、なるほど、こういう本だから……。ふーん、そうなんだぁ……うふっ(萌)」 『あーっ!!今、いかがわしー事、想像しただろっ!――出せ!一刻も早くここから出』 バタン。 と、問答無用で私は本を閉じた。 「仕方ないわ。続きはもう一冊買って読みましょ。こっちはこっちで……別の続きが楽しめそうだし、ね」
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