2 疑惑

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Jrは、 「気分が悪い。帰る」 カウンターを回り込んで、スイングドアを揺らしていた。 彼の生まれつきの肌の色が隠していたが、それでも少しだけ顔色が悪いのを高広は見逃さない。 「Hey!」 高広は、クロークに預かっていたディバックをひとつJrに投げる。 「忘れ物だぜ」 「……ん、ああ」 戸惑ったように受け止めたJrだが、そのカバンの持ち手を有坂がふと掴んだ。 「良かったら、中身を確認させていただけないか?」 「なっ!」 カッとJrの頬が興奮で赤くなる。 そこへ高広の冷静な声が飛んだ。 「やるなら外でやってくれ。店の中で揉め事はゴメンだ」 Jrは戸惑ったように高広を見る。 しかし高広は、さっさと行けと手を振った。 そして有坂と桜庭に背中を押されるようにして、Jrは外に出て行った。
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