5 分析

1/19
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ

5 分析

『Go to the Hell』の出処を高広は探り始めた。 自宅の地下に作ってある研究室で成分を分析してみたところ、市販の鼻炎薬から取り出せる成分が主で、合法の薬を精製して出来ているのだと知れる。 ちょっとした知識を持っていれば作ることが出来るドラッグだが、これだけ流通している現状を考えれば、どこかでコンスタンスに生成されているはずだ。 多量の鼻炎薬の買い占め。 知識のある人間が常習的に出入りしている場所。 この街の人間なら、けして警察には話さないことだが、同じ街に住む、高広の耳になら入ってくる情報もある。 そして浮かび上がってきたのが、アフリカ系アメリカ人、ジェームズ・ラングレーという男だった。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!