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2 疑惑
「これで満足かい? 番犬さんたち」
タカは店の奥の暗がりに話しかける。
まるで自分の気配を消しながら、そこに座っていたのはふたりの男だ。
「未成年を客にしないのには感心するが、出来ればもう少し、キツく言ってもらいたいものだね」
男たちは、警察庁刑事局の有坂と桜庭だ。
「お説教は仕事じゃないんでね」
以前、とある事件で皮肉な関わり方をしてから、タカは有坂と桜庭に目をつけられている。
監視にはいい気がしないが、表向きは手出ししてこないので、文句も言えない。
まるっきり外国人の風貌をしているが、こう見えてもタカはクォーターなだけで生粋の日本人だ。
北欧系の容姿を受け継いでしまった彼の本名は『秋場高広』。
「フツーの日本人の俺にくっついてたって、餌は出ないぜ」
「お前さんにもらわなくても、お友達が何かくれるかもしれないだろ」
桜庭が顎で示すのはJrだ。
彼も優性遺伝が強く影響しただけで、実は日本人。
父親にアフリカ系アメリカ人を持つが、母親は日本人で、日本より外には出たこともない。
当然、日本国籍を有している。
本名は『神野陸』という。
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