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「バイバイ」
「またねー」
そんな声を聞きながら、私は鞄に手を伸ばして、もう教室に半分ほどの人がいないことに気づく。
でも、大丈夫。
世界中で起きたこの事件で、犠牲になった人は『一人も』いないんだから……。
のんびりと教室を出ようとして戸に手をかけた瞬間だった。
「きゃあぁぁぁぁっ」
「なんだこれっ!」
「うわぁっ」
「助けてー!!」
ただならぬ悲鳴が後ろから聞こえて、咄嗟に振り返る。
そこにあったのは……いや、そこにいたのは、悲鳴をあげながら体中から蔦を生やし、苔を撒き散らす同級生と先生、そして、私の体だった……。
僕は朝一番に学校に来た。
けれど、戸を開けると、そこはまた、植物だらけになっていた。
四組からどんどん植物に侵されて、一組が最後だったのに……。
まぁでも、大丈夫だよね?
うちの学校、一年生は全部で八人なんだから……。
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