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するとスージは顔面蒼白にしながらブツブツと言い出す。
(5000Gをどうして手に入れようか。あれを使ってここから奪うか。いや駄目だな。それは犯罪だ。そうだ、どこかに5000Gが落ちているはずだ)
床を這いずり、金を探すスージを見てロゼッタは見るに耐えなくなる。
なんて情けないのだろう。
これでマリーゴールドのキっての剣士なのだから余計に目を瞑りたくなる。
「くそぉ~どこかにあるはずだ」
だが、そんな彼を見捨てらる訳もなく。
(仕方ない...)
ロゼッタは少し微笑ましい気分なり、おばあちゃんに2万Gを差し出す。
でも、お金が足りないは別の話。
後で問い詰めようと心に決めたロゼッタである。
「はい、おばあちゃんこれ。2万G」
とその声を聞き、顔を上げるスージは少し涙ぐんでいる。
おぉ、ここに天使がいる。救世主が。助かった。
「おぉ、神、ロゼッタ!! ありがとう」
伝票を受け取った彼女は笑顔でこちらへ振り向き「うん、気にしないで」と言ったが、スージはそれを見て体が強張る。
「ひぃぃ。お許しください」
振り向く際の一瞬、ロゼッタが悪魔ような形相をしたように見えたのだ。
だが、それは気のせいではなく。
実際にロゼッタは怒っていたのだ。
だが彼女はそれを表情に出さない。
逆にそれがスージにとって恐怖を生むのは事実である。
スージは思った。
これは間違いなく怒っている...
どちらで怒っているのだろうか。
金が足りなかった事?
それとも宿代が高かったことか。
それともどちらともか?
考えれば考えるほど嫌な汗が噴き出てくる。
怖い...
「スージ君いくよ?」
笑顔で名前を呼ぶ彼女に余計、恐怖を感じたスージは失礼がないように
「はい!わかりました!」と答え彼女の顔色を伺いながら歩いた。
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