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「毎度あり、またお越しください」
出入り口前まで見送ってくれたおばあちゃんは聞いた事も見たこともないような大声と深いお辞儀をした。
当然、そんな御持て成しを受けたスージとロゼッタは気分が良くなる。
スージたちも負けじと大きな声でお礼を言うとより一層おばあちゃんの、腰を曲げる角度が急になった。
「おばちゃんそれ以上はダメ腰逝くから」
と注意すると頭をあげ、ありがとうと一言。
スージたちはその言葉を背にして出発した。
「ここまで誠意を尽くされると、2万Gというのも納得できる」
うんうんと大きく首を振りながらロゼッタは言った。
「そうだね」
どうやら、彼女は宿代で怒っているわけではなさそうだ。
そうすると原因は一つ、金欠か…。
(はぁ~)
どうしても、溢れ出る溜息を止められなかった。
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