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「お代金は2万Gになります」
目の前にでてきた高額の伝票。
ここらの宿なら2000Gで済むはずの処。2万Gだ。
普通に考えると計算間違えしか思い付かない。
いや、そうであってほしい。じゃないと困る。
「あの~計算間違えではないですよね?」
スージの声は震えていた。
なぜなら、財布の中には1万5000Gしか入っていないというのを知っていたからだ。
「いや...計算間違えではないんですが」
おばちゃんは困り果てた顔をしながら、スージを見たが彼は証拠がなければ払ってくれる様子ではなかったので、はぁとため息をつき続けてこう言った。
「なら目の前で計算しますから、それでいいですか?」
「はい、それなら構わないです」
スージには根拠があった。
張り紙を見た限りでは500Gと書いてあったのだから、普通に考えると2000Gしかいかないと。
「じゃあ、ちょっと待っててください。今呼んできますので」
するとおばちゃんは奥のスタッフルームへ歩いて行き。
しばらく経つとよぼよぼのおばあちゃんが出てきた。
「え~と、計算ですね」
足取りがふらふらのおばあちゃんは垂れ下がった目をクワッっと広げ『電卓』と叫んだ。
「おっ」
「はっ」
突然の大声に、スージもロゼッタも少しビックリしたが、なんだスキルの召喚かと思い息をつく。
「スキル使いなのか」
「そうみたいだね」
「おばあちゃん、スキル使えるんだね」
「へ? なんですか?」
おばあちゃんだから耳が遠いのだろう。
「おばあちゃん!! スキル使えるんだね!!」
と少し声を張り上げた。
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