第1章

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俺は叫んでみたが、やはりクラスメイトは全員無視をきめている。 くっそー、俺が何をしたって言うんだ。 目の前が悔し涙で滲んだ。 俺は職員室に向かった。 「失礼しまーす。」 職員室に入ろうとすると、ちょうど小林先生に出くわした。 「先生・・・。」 俺はつい、男の癖に先生の顔を見ると涙が溢れてきた。 小林先生は、俺を見ると小さな声で呟いた。 「ついてきなさい。」 そう言われ、俺は黙って先生の後をついて行った。 先生は誰も居ない理科室に入って行き、準備室の鍵を開けた。 「入りなさい。」 小林先生に促されて、俺は準備室に入り、椅子に腰掛けるように言われた。 「先生、僕、みんなに無視されているみたいなんです。」 俺がそう切り出すと、先生は黙って俺を見つめた。 「何で、無視されるのか、わからなくて。今日なんて、僕の机に白い花を置く嫌がらせを受けて。」 俺はぎゅっと握った拳の上に涙を落とした。 「僕、イジメを受けているんでしょうか。」 信じられないことだけど、受け入れるしかないのか。 小林先生が重い口を開いた。 「田中君、落ち着いて聞いてほしいんだ。」 小林先生がまっすぐに俺を見た。 そして、少し戸惑った表情で言いよどみ、もう一度俺をまっすぐに見た。 「君はもう、死んでいるんだ。」 俺はショックを受けた。先生までが俺をイジメにかかってきた。 「酷い、先生まで。僕を苛めるんですか?」 先生は首を横に振り、悲しいような苦しいような複雑な表情を浮かべた。 「違うんだ。先生はね、見える性質の人間なんだよ。」 俺は先生の言っている意味が全く理解できなかった。 「君は、夏休みに入る前にある重病で入院した。夏休み中、ずっと入院していて、症状は改善されずに、どんどんと重篤になっていったんだ。」 小林先生が搾り出すように言った。 何を言っているの?先生。 「新学期になっても、君は退院できず、とうとう危篤状態になってしまった。」 意味がわからないよ、先生。 「私は、昨日、君が学校に来ているのに驚いたよ。危篤という知らせを前日に受けていたから。 だけど、自分の性質上、すぐにわかった。田中君の意識だけが学校に来ているのだと。」 嘘でしょう?そんな冗談はやめてくれ。
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