どこまでも続く空を見つめる姿を、見つめてた。

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三度目の正直は裏切られた。四度目は真実か? 教室の戸を開けたら、突然喧騒に呑み込まれた。騒がしくもこの雰囲気には血が騒ぐ。見る限り辺りの人は浴衣姿で、陽気な音楽や、出店の張り上げた声が掻き消されている。しかし、楽しそうな人達を尻目に、俺はまたそっと、戸を閉じた。 五度目、これは勝負か。 教室の戸を開けたら、俺の目に飛び込んできたのは巨大な観覧車だった。しかも夜の遊園地。有名どころほど規模は大きくなく、場所を取るジェットコースターも見当たらない。しかし、ライトアップされた観覧車がゆっくりと時を刻むように回っている。これがこの遊園地の主役なんだろう。七色に輝く光の輪を目を刻み付けて、俺はそっと戸を閉じた。 さて。あらためて廊下の窓から外を見てみよう。うん、明るい。よく晴れた青空だ。腕時計も正確に時を表示している。 教室の戸を目の前に、俺は腕組みをして唸った。 そして決める。 次に開けて、教室じゃなかったら帰ろう。 俺はきっと、熱がある。そうに違いない。 はたして、最後の番狂わせ。六度目は。
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