第1章

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滑り台はジェットコースター並みの高速で急降下を続けて行く。 この先には何があるの? 飛鳥や舞には会えるの? 由美は祈る思いだった。 10分程経つと降りる速度が遅くなり、周りの風景が見えるようになってきた。 薄暗がりの中に、火の玉がふわりふわりと浮かんでいる。どうやら由美が滑っているのは、広い広い墓地の上のようだ。 滑り台のゴールに辿り着いた。しかし、誰一人いない墓地の中を歩いて行く気になれず、由美はその場に立ち尽くした。 「いらっしゃ~い」 話しかける声がした。 「誰?」 由美は声のする方を振り返ったが誰もいない。次の瞬間「フッ」と誰かが首筋に息をふきかけた。 「キャー‼」 由美は驚いて悲鳴をあげた。 「そんなに怖がらないでよ」 そう言って目の前に現れたのは…頭に髷を結った『ろくろ首』だ。 アニメなどでは何度も見たことはあったけど、リアルで見るのは初めてで、その恐ろしさは半端じゃない。
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