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気を失いたくなる程の恐怖だったが、飛鳥と舞も恐らくここにいる筈だ。気を失ってなんかいられない。
由美はギュッと唇を噛みしめると、ろくろ首を睨みつけた。
「キャー‼」
そう言って逃げたのはろくろ首の方だった。
由美が歩き出すと、今度は一つ目小僧が現れ、「ヒッヒッヒッ」と不気味な声を出した。
由美は恐怖で足がガクガク震えた。ここはお化け屋敷ではない。ここにいるのは本物の『お化けたち』なのだ。
泣きたいのを我慢して、
「あっちへ行け~‼」
と叫んだ。
すると一つ目小僧は肩を落として、スゴスゴと去って行った。思っていた程怖くないのかも…と由美は思った。
《早く飛鳥と舞を助けなきゃ》
由美の周りを火の玉がふわりふわりと飛んでいる。怖いけど真っ暗な所を歩くには明かりは必要だ。…仕方ない。怖いけど我慢しよう。
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