扉の先で

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 二人で手を繋いで通りを歩いた。 行くお店は予め二人で決めておいたのだけど、それでも華やかに彩られた街には目移りしてしまう。  大きなツリーや毎年お馴染みのクリスマスソングが寒さを忘れさせてくれる。  そういえばまだ小さかったときは、毎年この通りをお父さんとお母さんと颯太と四人で手を繋いで歩いていたっけ。 そう、丁度あの家族連れのように。  ……いやあれは、間違いなく私とその家族だ。 どうしてここにいるんだろう。  不思議に思ってそちらを見ているうちに、目的のレストランに付いた。  先に昔の私とその家族が中に入っていく。 たまたまだけど、裕也の行きたがった店が同じだったからそうなったのだ。  私達は二人だったから、昔の私達とは離れて座った。 二人ともプレゼント交換は後にして、先に注文を済ませた。 「良かった、春香の知ってる店で」  裕也は柔和に微笑んでそう言った。  やがて料理が運ばれてきて私達の前に来た。 お酒はまだ飲めないからシャンメリーで乾杯してご馳走を堪能した。  そしてひとしきり盛り上がったあとに、お互いに用意していたプレゼントを交換し合った。
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