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耳がとがった眼鏡をかけたおじさんのような何かを箒ではたくと、彼はしゅうと萎んだ風船のように細くなって石の中に吸い込まれて行く。
それを確認してから私は、たまたま学園の庭を箒で掃除していた時に、ついうっかり倒してしまった何やら文字の彫られた灰色の古びた石を、先ほど吸い込まれた地面の上に乗せる。
これでしばらくは大人しくしているだろう。しかし、
「学生の学び舎の周辺に、こんな怪物やら何やら封じ込めてどうするのかしら」
そう呟きながらはき掃除を始める私。
掃いても掃いても花びらが地上に降り注ぎ、やはりこの掃除の原因である花を咲かせるすぐ傍にはえている木をどうにかすべきかと私は考え始めた所で、
「美咲ちゃん、今何か悪い事を考えたでしょう? 駄目ですよ~」
「ユリちゃん、だって掃除が面倒だし……」
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