46人が本棚に入れています
本棚に追加
そこに現れたのは私と同い年の少女で、ユリ・サイドレースという。
やわらかなパステルカラーのピンク色の髪を顔の両方に三つ編みにして垂らし、彼女の瞳と同じ青い色のリボンで止めた少女だ。
大人しくおっとりしているが時々腹黒い所もある、この世界に来てからの初めての同性の友達だった。
この世界をよく知らない私に彼女は色々と教えてくれて、足を向けて寝れない相手である。そんな彼女は私の答えに、
「ほらやっぱり。少しずつやっていけばいつか終わりますよ~。あら、もしかして一回封印を解きました?」
ユリがしげしげと覗く込むそれは、先ほど掃除をしていた時に、うっかり箒の端が当たった石板のようなものだった。
確かこれを倒した直後に、変な格好をしたおじさんが出てきたのだが、悪役っぽい美形だったので面倒な事にならない内に私は止めを刺したのだ。
最初のコメントを投稿しよう!