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「散れ、ドドカスやろーが」
「え?」
俺、勇者 Level.1。
しょんべんしてたら、突然、魔法の世界にトリップさせられ、霰のない姿形のままで「わー!!勇者様だ、ユーシャ様だぞー!!」的な扱いを村人達に囲まれて、この夏、いや、この先人生の中で一番のトラウマってヤツが決定した瞬間かもしれない。
そしたらナンダカンダー殿に連れられて行って「伝説の勇者よ!!この世を悪で染め上げる」……って、よくあるオープニングパターン。ところが!!
「あ、面倒くさいから次いっちゃって??テヘペロ?」ってカンペが頭上斜め右に出たと思ったら、
「……………」
すっげぇ………すこぶる……美人。
「蔑んで踏んでクダシァ…」
ぱぅっ?!!!いやいやイヤイヤ……!!?
俺は急いで首を振った。
「あ、それ、悪の帝王の孫娘だからwwwwww悪の帝王が、チョーー~溺愛パネェからwwwwww生クリームメロンパフェぷりんてんこメガ盛り喰わせて貰えなくて、激おこぷんぷんメガティックフィンガーデスファイヤー食らわせて、帝王のヅラ…じゃなくて宮殿、一個飛んじゃったからザァマァミナイプクスーーーッッッwwwwww」
「いや、意味わかんねぇしナニその激おこぷんぷんメガティックフィンガーデスファイヤーって」
「え?憶えたの?頭悪そうに見えたのに残念……チッ」
「感じワルッ?!これから世界救って貰う勇者に感じわるッッッ?!!」
「あーハイハイ、指ぱっちんね」
「あーハイハイって棒読み………は?!!指ぱっ……」
バサんっ
「………ぁ」
気を悪くしたのか、読書をしていた彼女が、本を閉じた。物静かな抗議。生唾が咽を通らない緊張感が続く。
「散れ、ドドカスやろーが」
「え?」
リンゴーン、リンゴーン、リンゴーン…!!!
シャキィィィーン!!!
首輪☆装着完了!!!
「オレ!!ペットになるワン!!!」
こうして、
ペット1匹もどきと、悪の帝王孫娘の旅は……………
「キモ散れ」
「んにゃァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアッ!!!エークスタシーーー!!!!!」
始まらないのであった。
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