第1章

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最近、急に幽霊が見えるようになった。 なぜかはわからない。 見た目は普通の人間だ。 ただ目が合うと、なんとなく背筋がゾッとする。 で、直感的に「あの人、死んでるな」と思う。 気のせいと言われればそれまでだけど、なぜか確信がある。 だから駅で彼女を見た時も、すぐに気づいた。 ……この子も幽霊だな。 「ねえ君、一人? よかったら、電車が来るまで話さない?」 本好きそうな雰囲気が超タイプだった。 幽霊でもオーケーなぐらい。 たぶん相手が生きていないとわかってるから、こんな大胆な行動が取れたんだと思う。 でも…… 「……あなた、新人さん? すぐに出てって。ここはわたしの縄張りよ」 言葉の意味がわからずにぼくが目を白黒させていると、彼女はそっと、窓ガラスを指差した。 うながされるままそちらを見ると、ガラスに映った自分の顔と目が合って―― ――なぜだか、背筋がゾッとした。
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